そんな朝

凄い形相の母にお前など本当は要らなかったと言われ、一番大事に思っていた友に何も解ってないくせに目障りだと言われ、先生に貴女は結局いいとこどりですねと言われて嗤われた。最後に恋人が、前夜一緒に観ようと借りた椎名林檎のライブDVD(私が選んだ)を最後までちゃんと見ないまま眠ってしまった私を責めた。
お前は何の役にたってるんだ?信じているのか、お前みたいなのが本当に誰かに好かれるとでも?
頬がかっと熱を帯びて、唇を噛んで血が出て、あまりの痛みにつうと涙が零れた。

その雫の熱さに瞼を上げると、そこはまだ日の昇らない篭もった空気の暗い部屋で、隣ではKがすうすう寝息をたてていた。色んな人の言葉は全部嘘で非現実で夢だった。思わずごめんねと声に出して、そんなくだらない自分に泣けてきた。幅広の肩に額をくっつけたら、赤ちゃんの様な匂いがした。その温かさにまた涙としゃっくりが出た。