遠雷にはや雨足の

未だ夜も明けぬ頃、腹の底に轟く雷の音で意識が浮上した。
外は割と激しく雨が降っている様子。雨が部屋に吹き込むのは厭だなあ、でも外を確かめたいなあ(うちの窓は磨硝子)と迷いつつ、結局、ええいままよと派手に開け放つ。5センチばかり引いて覗けばいいじゃないかと自分でも思うけれど、そんな潔悪い事はしないよ。だって、私は雷が好き。
ヒカッと空が蒼白く染まり、一瞬の間を置いてゴロゴロゴロと中々に迫力のある雷鳴。時折ピシャーン!まさに「神鳴り」。風も強く、雨も強い。雷と共に鼓動が高鳴る。
例えば落雷の危険を冒して野外でのお仕事をしているとか、そうでなくとも災害に見舞われた土地に住まう方々だとかにとっては厄介以外の何物でもないだろう。それを思うと少し申し訳ない気持ちになるけれど、でもやっぱり雷鳴を感じると血が騒ぐ。今だって、出来ることなら傘を持って一人道に飛び出し、強風を待ってメアリー・ポピンズの真似事をしたいのだ。るんるん