刹那を生きる

大事に守って使わず死んだら、死んでも死に切れない――
そう言って、唖然とするような無茶をするひとがいた。自分にはその度胸も実力も無かったものだから、私はそういう生き方に強く惹かれ、少し怖がった。いつか、その信念のもと、傍から消えてしまうんじゃないの?全てを捨てて何処かへ飛んでいってしまうんじゃないの?
煌めく夜道、こんな夜はいけない。背を向けて尚、振り返りそうになる。