天高く我肥ゆる秋

朝の6時、目覚めて直ぐ「今日は曇りだなー」。
東向きの窓辺に設けた床の中で横たわったまま、天井を見つめてその日の天気を想うのが日課だ。
上半身をのらりくらりと怠惰に起こし、惰性一杯に右手を伸ばしてカーテンのない窓を開く。と、予想に反して爽やかな青に澄みわたった空が広がっており、軽く眩暈を覚えた。同じ晴れでも、磨り硝子をも抜け突き刺さるあの痛みを覚える程の陽射しや纏わりつく湿気はそこに無く、代わってあるのは高い空ときめ細やかに満ち満ちた冷涼な空気、そしてしゅうと流れる一筋の雲。磨り硝子越しではくもり、だと思って仕舞う程度に控えめになった光線。
改めて秋の到来を実感する。心地良い。