抹茶フラペチーノ効果

20時20分。美島先輩とスタバで待ち合わせて、お話。会社帰りなのに呼び出してしまって申し訳なく思いながらも、こんこんと話し続ける。話しているうちに泣き笑いの表情になるのを止められない。だって、すごく、馬鹿みたいなんだもの、昨夜の会話を再現すると。
「多分さ、そんな男別れなよって言うよね。普通は」
そう。でも、そう言いながら結局言わない美島さんに救われる。抹茶フラペチーノを啜って、私の話に爆笑したり憤慨したりする美島さんを見ていると、わたし大丈夫かもと少しは楽になる。悪口が言いたいんじゃないからと、結局惚気話のようなノリになってしまう辺り、もうコントにするしかないって。
その後美島さんの彼氏の仁多君の車でご飯に連れていって貰った。酢のきいていない居酒屋の寿司が、何だかすごく美味しくてちょっと泪目になってしまう。まぐろ、美味しい。考え過ぎると禿げるぜーという仁多君の言葉に、あの人のちょっと危うい後頭部を思い出し、ちょっぴり笑う。例え禿げても、お金が無くても、それでもやっぱり大好きで大事なんだもん。それはもう変わらない仕方ない。だけど
「好かれている自信が身勝手さを生むんじゃない?一度あっさり引いて、痛い目見せてやりな」――脳内で誰かが言う。私はそれに耳を傾け閉じた眼を開く。ちがう、そうじゃない。