ゼミ飲み会

昨夜はゼミの前期打ち上げ飲み会だった。2軒廻ってひとりあたま3000円以下で済んだのは、ひとえに先生の心意気のおかげ。本当にどうも有難うございます。
全員の予定が中々合わなくて、結局2次会を終える頃には7人になっていたのだけれど、そこから悪乗りして皆で鴨川へ自転車を飛ばした。途中のコンビニと99ショップで酒やらお菓子やら花火やらを買い込んで、深夜2時だというのにはしゃいでしまった。
対岸で遊ぶ同じ様なグループの打ち上げる花火が割と派手で、しかもそれがやたらとこちらへ向けて発射されるというので、黒塩君と知月君の闘争心に火がついた模様、彼らは何やら必死になって「オリジナル打ち上げスペシャル」を作っていた。バカバカあぶないでしょーと顔を顰めるミカちゃんも、笑いながらちゃっかり自分も参戦している礼も、手持ち花火に夢中になってるいつも冷静な涼ちゃんも、子どもみたいに無鉄砲な男2人も、ぬるい夏の鴨川の雰囲気にとてもマッチしていて、いえーい、みんな最高。


気付くと隣にコトブキ君がいて、右手に持っていた食べかけのシュークリームを奪っていった。代わりに私は彼のジーマを頂く。たかが105円のシュークリームのかけらを、本当に美味しそうに、満面の笑みを浮かべてほおばるコトブキ君は、男でも男の子でもない只の子犬のようでとても可愛らしい。心と身体の性別がマッチしていないコトブキ君とは物事の見方が割と似ていて、そういえば昨夜はそんな微妙な隙間みたいな話題ばかりだった気がする。もういいか、なんて笑う彼の頭をよしよしと撫で、きれいな肌の頬を両手でうにーと引っ張ってやった。私には決して実感することが出来ない苦悩を彼は抱えていて、それでも前を向くのだという。私が彼にしてやれるのは、時々話を聴いたりふと甘えて来た時こうして子犬扱いしてからかったりする事位だ。私の指ごと口に含まれたシュークリーム、その指に残ったクリームを舐めとる舌、肩に乗せられた頭、その頭を撫でる左手。下手に身体を合わせるより、ずっと心が満たされるのに。心からこういう時間を過ごしたいと願う相手が、本当はお互い別にいるのだ。…難しいなぁ、と酔っぱらいの口調で小さく呟くコトブキ君の頬を、相槌代わりにもう一度つねってやった。



最後は皆で石段に座り、お決まりの線香花火で締め。誰のが一番長く持つ?というこれまたお決まりの勝負をしたら、あっさり負けてしまった。半ば呆然とする私に、皆容赦なく99の水鉄砲を向けてくる。悲鳴。仕返し。悲鳴。そして笑い。
なにこれセイシュンドラマみたいと言った誰かに、古いよーとブーイングが飛ぶ。夜なのに、真昼の日差しか強いフラッシュの中にいる様な錯覚を感じる。僅かな油断の合間に、また、鴨川の決して綺麗とはいえない水が飛んできて鼻を直撃した。可哀想、わたし。
やがて空が白み始める。