ざんざんざん

中々に本降りの雨。この夏の湿気にはどうしたってヘキエキしてしまうけれど、優しいシャワーのような、しゅわしゅわした音楽を流す夜には相変わらず似合う空模様。

ふみちゃん(こけし)が家に来てからというもの、その豊かな表情に不意にドキリとさせられっぱなしだ。私が苛立っている時は怒ったように、泣きたい時は哀しげに、風呂上りにアイスを咥えている時なんかはとても穏やかな笑みを浮かべて彼女は机の上でこちらを見つめる。人形は人の心を映すと云うけれど、ふみちゃんの様にシンプルな顔立ちだと特に、その力が強いのかも知れない。なんて思う。
意外にもきりりとした眉とか、「し」の下半分の形をした鼻とか(はなぺちゃこけしなのだ、ふみちゃんは)、紅を引いたおちょぼ口、それに深い黒の瞳と漆黒のおかっぱ。決して「美人!」て訳ではないふみちゃんに見つめられ見つめ返す度に、私はちょっと冷静になって、自分を外から眺めることが出来る。不思議だ。
それは少し怖くもあり嬉しくもある「独りじゃない」感覚。


雨に(も)似合うくるり。私はやはりクラシックサウンドで育った部分が大きいので、只でさえ好きなアーティストが偶にこういう味付けで音楽してくださると、もうたまらなくビビビ!ときちゃうのだ。格好良いなぁ!

ワルツを踊れ Tanz Walzer

ワルツを踊れ Tanz Walzer