居酒屋

学食の後、明後日のゼミ発表の準備で図書館に戻ったリカちゃん以外の3人で居酒屋へ移動。今夜は飲みたい気分だったのだ。
半地下になっているその店には、店主とバイトの男の子以外客は誰も居なかった。


川「こんばんはー。え、貸切?」
店「どこでも好きなお席にどうぞ」


すみっこすみっこ!と少しはしゃいで角のついたての裏側へ回る。
先ずは生中で乾杯、枝豆とたこわさと軟骨の注文に始まり、延々3時間ひたすらまったり飲んでいた。途中、話の矛先がとある「優良企業」に向いた時、私のカシオレを運んできた店主の親仁さんが「あかんあかん、あそこはあかんで」と、妙に真に迫った言い方をしたのが面白かった。何か恨みでもあるんだろーか。
気付けば閉店時刻を回り、笑顔で見送ってくれる親仁さんにご馳走様を言ってほろ酔い気分で外へ出た。普段はハイペースで飲み比べる彼らが、今夜はいつに無くしっとりと酒を注ぎ合い、語っていたなぁと思い返す。あまり言葉や態度には出さないけれど、やはりそれぞれ胸にしまった想いはあるのだろう。いつの日か、今日の様なひと時が自分の心の支えになったらいいな。そう思った。
暑過ぎず寒過ぎず、心地よい夜風が吹き渡る素敵な晩だった。