SPARK TIME

というグリコのアイスを口に含んでパソコンに向かっていたのだけれどどうにも集中力が続かなくて、凝り固まった首と肩を回しながら外へ出た。この辺りも今日から梅雨明けらしく、夕方の空が晴れやか。頭上を鴉ではなく鷺が飛んでいった。それにしても夏の夕方ってどうしてこうも泣きたい気分になるのか。
中学時代の夏は田んぼに囲まれた夜道を自転車で通り抜けるのが楽しかった。それなりに数多い星空の下、蛙の音を聴きながら制服姿で歌など唄って一人風をきるのが好きだった。あの頃髪は短くて、私は部活に夢中で。感傷に浸る程でもない、まだ鮮明な記憶。
なのに何故だろう。たった1年前の夏を思い出すことがこんなにも難しい。中学の頃よりずっと最近の出来事なのに、今私は「頑張らなくては」あの思い出を取り出せない。